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スケール設定

既知の長さを2点で指定して、オルソ・3Dモデル・写真の距離と面積を実寸にする方法を解説。写真だけでは大きさが決まらない理由も図解します。

CHAPTER 11

たった1本の長さが、
すべてを実寸にする。

この章でできるようになること

  • 既知の長さで実寸を与える
  • 計測の誤りを%の差で見つける
  • いま使っているスケールの出典を確かめる
  • 画像リンクをやり直しても計測を活かす
5 分で読めます

写真で測った距離や面積を実寸にするには、既知の長さを画像上で1つ以上教えます。 壁の幅やドアの高さなどを2点で指定するだけで、オルソ・3Dモデル・写真のすべての測定が実寸になります。

スケール設定の画面
壁の幅・高さなどを2点で指定して計測を登録。右上に、いま採用しているスケールが表示されます

スケールとは

画像リンク(SfM)で復元した3D形状は、そのままでは実寸を持ちません。形は正しくても「1がメートルなのかセンチなのか」が決まっていない状態です。

スケールは、この復元座標系を実寸(メートル)へ変換する係数です。スケールはセット単位の設定で、そのセットから作られるすべての成果物に共通して効きます。

  • オルソ画像上の測定
  • 3Dモデル上の測定
  • 展開オルソ(円筒・円錐台)上の測定
  • 元画像(単画像)上の測定

つまり、スケールが未設定のままだと、どの画面で測っても距離・面積は実寸になりません。

COLUMN

写真だけでは、大きさはわからない

カメラ近くの小さな模型遠くの大きな建物写真どちらも同じ写真になる実測した長さ(例: 10.0 m)1本わかれば、全体の縮尺が決まる

近くに置いた小さな模型と、遠くにある本物の建物。大きさと距離の比が同じなら、2つはまったく同じ写真になります。写真に残るのは「どの方向に何が見えるか」だけで、「それが何メートルか」は写らないからです。

画像リンク(SfM)も同じで、たくさんの写真から形と撮影位置を正しく復元できても、全体の大きさだけは写真からは決まりません(GPS付きの写真なら、撮影位置から推定できます)。そこで、ドアの高さや壁の幅など実際に測った長さを1本教えると、そこから縮尺が決まり、すべての長さ・面積が実寸になります。

それでも複数本の登録がおすすめなのは、クリック位置のずれや入力ミスに気づくためです。計測リストには、計測1本ごとに求めた係数と採用値(中央値)との差が%で出ます。正しく測れていれば差は小さくそろい、1本だけ大きく外れていれば、その1本を疑えばよいわけです。採用値は中央値なので、外れた1本が混ざっても結果は大きく崩れません。

起動

ツールバーの 処理 ▾ → スケール設定 から開きます。現在選択中のセットが対象です。

スケール設定は PRO プランの機能です。詳しくは プランと機能 を参照してください。

画像リンク(SfM)が未実行のセットでは、スケールを計算できません。先に 処理 ▾ → 画像リンク・オルソ・3D生成 を実行してください。

オルソ生成ウィザードのステップ3と同じ設定を編集する画面です。
オルソを生成しない運用(3Dモデルだけ・展開オルソだけ)でも、この画面からいつでも実寸を与えられます。

画面の構成

領域内容
画像選択セットの可視画像サムネイル。プロジェクトから除外した画像は表示されません
2ビュー2点を指定する画像。ホイールで拡大・ドラッグで移動
1現在のスケール採用中の係数と、その出典
3計測を追加既知距離と単位の入力
4計測リスト登録済みの計測一覧

計測を追加する

  1. 既知距離を入力し、単位(m / cm / mm)を選ぶ
  2. 画像上で2点をクリックする(右クリックで選択を取り消せます)
  3. 計測を追加 をクリック

寸法がはっきりしていて、画像上でも端が明確に見えるもの(ドアの高さ、窓の幅、既知のスパンなど)を選ぶと精度が上がります。

精度を高めるため 2〜4計測 の登録が推奨です。複数登録すると中央値が採用されるため、1つ外れ値が混ざっても結果が大きく崩れません。計測は複数の画像にまたがって登録できます。

計測リストの各行には、その計測だけから求めた係数と、採用値(中央値)との差が表示されます。差が大きい行は、クリック位置がずれているか、既知距離の入力が誤っている可能性があります。

計測リスト
3本目だけ差が +8.0% と大きく、赤で表示されています

3D位置を求められない点を指定した行には 計算不可 と表示されます。

各行のチェックを外すと、その計測をスケール計算から除外できます(削除せずに残せます)。

現在のスケール(出典)

表示意味
未設定(画像リンク素のスケール)係数が未確定。表示される距離・面積は実寸ではありません
出典: 既知距離の計測 N件この画面で登録した計測から確定
出典: GPS(撮影位置からの推定)撮影位置のGPSから自動で推定

GPS付きの画像で撮影している場合、スケールは撮影位置から自動的に推定されます。同じ画像リンクに対して既知距離の計測を登録すると、そちらが優先されます(手動計測のほうが信頼できるため)。

GPSがあっても、1本は測っておく

GPS付きの写真ならスケールは自動で推定されますが、既知距離の計測を登録すると、より信頼できる手動の計測が優先されます。ドアの高さ1本でも、測って登録しておくと安心です。

採用中の係数は 係数 0.99 のように表示されます。オルソを生成していないセットでは「オルソ未生成のため点群の局所平面で計算します」と添えられます。

スケールを解除 を押すと、係数を未設定に戻せます。登録した計測はそのまま残るので、後から再度有効にできます。

保存すると何が変わるか

保存 を押すと、確定した係数がセットに保存され、既存の成果物に反映されます。

反映先内容
オルソ画像メートル表記(実寸)が更新されます。オルソ画像そのものは作り直されません(画素の密度はスケールに依存しないため)
保存済みの測定同じ画像リンク(SfM再構成)で作成した測定の距離・面積が新しいスケールで更新されます。測定の位置は変わりません
3Dビュー表示中の3Dメッシュに反映されます

計測が全て棄却されるなどで係数を確定できなかった場合は、成果物には反映されず、その旨が表示されます。登録した計測は保存されているので、計測を追加・修正してから保存し直してください。

実寸値の再計算

ダイアログ左下の 実寸値の再計算... は、保存済みの測定の距離・面積を、元の画像上の位置から計算し直します。測定の位置は変えず、数値だけを作り直します。表示する成果物を切り替えたあとなどに、距離・面積の値が実寸とずれて残ってしまった場合の救済用です。ダイアログを閉じたあと(スケールの保存のあと)に実行されます。

画像リンクをやり直したとき

スケール係数は「どの画像リンク(SfM再構成)に対して求めたか」とセットで管理されています。画像リンクをやり直すと復元座標系のスケール自体が変わるため、以前の係数はそのままでは使えません。

ただし、登録した計測(2点+既知距離)は残ります。スケール設定を開き直すと、その時点の再構成に対して自動的に計算し直されるので、保存を押すだけで新しい係数が反映されます。2点を指定し直す必要はありません。

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