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ガイド

測定ツール

スポット・ライン・ボックス・ポリゴンなどで温度ムラを測り、種別・判定・所見を付けて点検結果として整理する方法を解説。測定がほかの写真やオルソにも映るしくみも図解します。

CHAPTER 12

囲んだ瞬間、
それは点検記録になる。

この章でできるようになること

  • 温度ムラを囲んで温度・面積を測る
  • 種別・判定・所見を記録する
  • よく使う値をプリセットにしておく
  • 点検整理で全測定をまとめて整える
8 分で読めます

気になる温度ムラを見つけたら、測定ツールで囲みます。囲んだ瞬間に最高・平均温度や面積が出て、そのまま点検結果として種別・判定・所見を記録できます。

温度の高い帯をペン-ポリゴンで囲んだ測定と点検結果パネル
外壁の温度の高い帯をペン - ポリゴンで囲んだ例。右の点検結果に温度範囲・面積・種別・判定が並びます

1 測定(ラベル BG1 は「浮き」の1番目) 2 点検結果。クリックすると種別・判定・所見を編集できます

ツールの選択

画面左端のツールアイコンバーから測定ツールを選びます。キーボードショートカットでも切り替えられます。 選択中のツールをもう一度クリックすると解除されます。

測定ツール一覧

アイコンツールキー操作測定値
スポットS画像上の1点をクリックその地点の温度
ラインL2点をクリック線上の温度プロファイル、最高・最低・平均温度、距離
ボックスB始点をクリック → 終点をクリック最高・最低・平均・中央値・標準偏差・面積
サークルC2点をクリックして外接する四角を指定(楕円)最高・最低・平均・中央値・標準偏差・面積
ポリラインP複数点クリック → ダブルクリックか Enter で確定折れ線上の温度プロファイル、最高・最低・平均温度、距離
ポリゴンG複数点クリック → ダブルクリックか Enter で確定最高・最低・平均・中央値・標準偏差・面積
ペン - ラインDドラッグで自由に描画線上の温度プロファイル、最高・最低・平均温度、距離
ペン - ポリゴンFドラッグで自由に領域を描画最高・最低・平均・中央値・標準偏差・面積

エリアツール(ボックス / サークル / ポリゴン / ペン - ポリゴン)では温度のヒストグラム(分布図)も生成されます。

実際の測定結果の例です。ラインは線に沿った温度の変化、スポットは1点の温度、ボックスは範囲内の温度の統計が出ます。

ライン
ライン外壁の継ぎ目に沿った温度の変化
スポット
スポット基礎まわりの2点の温度
ボックス
ボックス窓まわりの浮きの範囲

描画の補助操作

操作説明
Alt(押している間)描画を拘束。ライン系は水平・垂直、または直前の辺に平行・直角に、ボックス/サークルは正方形・正円に固定
Ctrl + Z / Backspaceポリライン/ポリゴンの描画中に直前の頂点を1つ戻す
Enterポリライン/ポリゴンの描画を確定
Esc / 右クリック描画中の測定を破棄(ツールは選択したまま)

Alt を押せば、線がピタッとそろう

目地や窓枠に沿って測るときは Alt を押しながら描きましょう。ライン系は水平・垂直や直前の辺と平行・直角に、ボックスは正方形に吸い付きます。

測定結果の投影

画像上で作成した測定結果は、同じ箇所が写っている他の画像やオルソ画像にも自動的に投影されます。別の角度から撮った写真でも、同じ範囲を同じ ID で確認できます。

COLUMN

1つの測定が、ほかの写真やオルソにも現れるしくみ

オルソBG1壁(3D上の面)写真A(測定元)BG1① 写真Aで囲む写真BBG1③ 写真B・オルソへ映し直す② 壁の上の3D位置に戻す

画像リンクを済ませると、それぞれの写真を撮ったカメラの位置と向きが分かります。写真Aで測定を描くと、CRITIR は描いた点ごとにカメラAから視線をのばし、それが壁の面に当たる場所を求めます。こうして測定は、写真の上の線から3D上の形に戻ります(赤外線画像で描いた測定は、いったん可視画像の位置に置き換えてから計算します)。

3D上の形が分かれば、あとは逆の計算です。写真Bのカメラから見たらどこに写るか、オルソの上ならどこにあたるかを求めて、それぞれに映し直します。だから別の角度の写真でも、同じ範囲が同じ ID で現れます。

裏を返せば、投影の正確さは画像リンクで求めたカメラの位置・向きと、壁の面の推定しだいです。撮影の角度や重なりが足りないと投影がずれることがあるのは、このためです。

投影の精度は画像リンク(SfM)の復元精度に依存します。撮影角度や画像間のオーバーラップが不十分な場合、投影位置にずれが生じることがあります。

測定を作らずに「その場所が写っている画像」だけを探したいときは、同一地点検索 を使います。

ラベル設定

ツールバーの からラベルパネルを開き、測定ラベルの表示を設定できます。

設定説明
名前 + 測定値ラベルに名前と測定値の両方を表示(デフォルト)
名前のみラベルに名前だけを表示
非表示ラベルを非表示にする
サイズラベルのフォントサイズを調整(5〜20)
測定画像でのみ表示現在の画像で作成した測定結果のみ表示し、他の画像からの投影を非表示にする
cm / ㎠ で表示距離・面積の単位を m / ㎡ から cm / ㎠ に切り替え

測定プリセット

左端のツールアイコンバーの 測定プリセット ボタン(いまの種別の色が点で表示されます)を押すと、これから作成する測定に自動で入る値を決めておけるパネルが開きます。同じ種別・判定が続く現場では、測定するたびに選び直す手間がなくなります。

測定プリセットのパネル
項目説明
太さ新規測定の線の太さ(1.0〜10.0px、初期値 2.0px)。 でデフォルトに戻せます
種別新規測定に付ける既定の種別。右の ⚙ から選択肢を編集できます
判定新規測定に付ける既定の判定。右の ⚙ から選択肢を編集できます
部位新規測定に付ける既定の部位。右の ⚙ から選択肢を編集できます
単位面系ツールの数量に付与する既定単位
所見新規測定に入れる所見テキスト

同じ種別が続く現場は、測る前にプリセット

浮きばかりを拾っていく現場なら、先に測定プリセットで種別と判定を決めておくと、あとは囲むだけで記録が埋まっていきます。

所見プリセット

よく使う所見の文言はプリセットとして登録できます。

  • 所見欄にテキストを入力し、+ ボタンで現在のテキストをプリセットに追加
  • プリセット選択コンボから選ぶと、その文言が所見欄に入ります
  • − ボタンで選択中のプリセットを削除
  • クリア で所見欄を空にします

ここで設定するのは新規測定の初期値です。作成済みの測定は変わりません。個別の変更は点検結果パネルから行ってください。

測定結果の管理

点検結果パネル

画面右側の 点検結果 (N) パネルに、表示中の画像の測定結果が一覧表示されます。

判定と所見

各結果をクリックすると編集パネルが開き、種別(浮き / ひび割れ / 剥離・欠損 / 漏水・水染み / その他)、判定(異常なし / 要確認 / 要是正 / その他)、部位(壁 / 柱 / 梁 / 床 / 天井)、数量と単位、所見(自由記述)を設定できます。 設定した内容はレポートに反映されます。冒頭の画像の右側が、編集パネルを開いた状態です。

エリアツールでは、パネル下部に温度のヒストグラムと平均温度・標準偏差も表示されます。外壁タイルの面では、範囲内のタイルの枚数の目安(「タイル自動 面積: ≈N枚」)も表示されます。

種別/判定設定

点検結果パネルの見出しにある ⚙ ボタン(ツールチップ: 種別・判定・部位の入力設定)から 点検入力設定 を開くと、種別・判定・部位の3つのタブで選択肢や表示を設定できます。

点検入力設定の種別タブ

種別ごとの色・線種・塗りパターン

種別タブでは、種別ごとに描画スタイルを指定できます。浮き・ひび割れ・漏水などを描き分けることで、劣化の種類が一目で見分けられます。

種別ごとに色・線種・塗りパターンを変えた測定

設定選択肢
色種別ごとに任意の色を指定
線種実線 / 破線 / 点線 / 一点鎖線
塗りパターン塗りつぶし / 斜線 / 斜線(密) / 斜線クロス / 斜線クロス(密) / 格子 / 格子(密) / 縦線 / 縦線(密) / なし
接頭辞ラベルのID名(例: CK → CK1, CK2...)
ボタン表示チェックした種別を、点検結果の編集画面にボタンで表示

カスタム種別の欄で、名前と接頭辞を入れて 追加 すると、独自の種別を増やせます。

スタイルは種別ごとの設定です。同じ種別の測定はすべて同じ色・線種・塗りパターンで描画され、劣化図CAD(DXF)出力にも反映されます。

数量の単位

面系ツール(ボックス / サークル / ポリゴン / ペン - ポリゴン)と線系ツール(ライン / ポリライン / ペン - ライン)の測定には、数量と単位を記録できます(スポットは対象外)。測定プリセットの 単位 から既定単位を選ぶと、新規測定に自動適用されます。単位は 枚 / 箇所 / 本 / 個 / 面 / m / m² から選択でき、各測定結果ごとに個別に変更することもできます。

測定の削除

  • 点検結果パネルの × ボタン
  • 測定結果を選択した状態で Delete キーを押す
  • または測定結果を右クリックして「削除」を選択

点検結果パネルの ボタンからすべての点検結果(画像/セット)の削除が可能です。

点検整理ワークスペース

ツールバーの 表示・整理 ▾ → 点検整理 をオンにすると、プロジェクト内のすべての測定結果が表形式で一覧表示されます。判定や所見をまとめて入力したいときに便利です。

点検整理 — 点検結果一覧
左に参照ビュー、右に全測定の一覧。行を選ぶと左が該当の箇所に移動します

一覧の見方

表には ID / 画像 / 種別 / 判定 / 部位 / 測定値 / 数量 / 単位 / 所見 の9列が表示されます。新しい測定が上に来る順で並びます。

種別・判定・部位・数量・単位・所見の各セルはその場で編集できます(ID・画像・測定値は編集不可)。行を選ぶと、ビューワーが該当する測定の箇所に移動します。

絞り込みと一括操作

番号操作説明
1参照ビュー元画像 / オルソ / 3D を切り替え、どのビューを参照して整理するかを選択
2点検結果を検索…全列を対象にキーワードで絞り込み
3元画像の測定のみ現在表示している元画像で作成した測定だけに絞り込み
4一括設定選択した複数行の種別・判定・部位・単位をまとめて設定
5コピー選択行を見出し付きのタブ区切りでコピー(Ctrl + C)。Excelにそのまま貼り付け可能

パネルはドラッグで切り離して別ウィンドウにできます。切り離した状態では メイン画面に戻す ボタンで元の位置に戻せます。
種別・判定・部位の選択肢は 設定 ▾ → 共通設定... の各タブからも追加・変更できます。

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