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ガイド

展開オルソ(円筒・円錐台)

煙突・タンク・サイロなど円筒・円錐台の構造物を、3Dモデルから全周1枚の展開画像にする方法を解説。円筒と円錐台の開き方の違いも図解します。

CHAPTER 10

ぐるりと一周を、
1枚の紙のように。

この章でできるようになること

  • 煙突やタンクの全周を1枚に開く
  • 推定した形が合っているか確かめる
  • 可視と赤外線の展開画像を同時につくる
  • 展開画像の上で実寸で測る
5 分で読めます

先細りの煙突も、3Dモデルから形を推定して全周を1枚の画像に開けます。文字やサビの筋、温度の高い点の並びが、ぐるりと一周ぶん1枚で見渡せます。

煙突の上半分を展開した可視と赤外線の画像
可視の展開オルソ赤外線の展開オルソ
⇆
煙突の上半分。境界をドラッグすると、可視の展開画像と赤外線の展開画像を見比べられます

展開オルソとは

タンク・サイロ・煙突・円形の建物のように壁面が曲面の対象は、平面を前提とした通常のオルソ生成では正しく展開できません。面ごとにオルソを作っても、曲面部分が引き伸ばされたり途切れたりします。

展開オルソは、3Dモデルから対象の形(円筒、または先細りの煙突のような円錐台)を推定し、その面に画像を投影して全周を1枚の画像に展開します。出力画像は、横が円周方向の弧長、縦が高さです。円筒は長方形、円錐台は扇形に展開され、長さ・面積は実寸どおりに測れます。

煙突の3Dモデル
展開の元にした煙突の3Dモデル
可視(全体)
可視(全体)円錐台なので上がすぼまった扇形に開きます
赤外線(全体)
赤外線(全体)温度の高い点が縦に並んでいます
COLUMN

円筒展開とは ― ハサミで切って、開く

ここで縦に切る横 = 周の長さ縦 = 高さ円筒 → 長方形ここで縦に切る切れ目 ↔ 切れ目円錐台 → 扇形

紙の筒を思い浮かべてください。縦に1本ハサミを入れて開くと、筒は1枚の長方形になります。横幅は筒の周の長さ、縦は高さ。展開オルソの横軸が「円周方向の長さ」、縦軸が「高さ」なのはこのためで、画像の左右の端は、もともとつながっていた切れ目どうしです。

先細りの煙突のような円錐台を同じように切って開くと、扇形の帯になります。上の周が短いぶん、上の弧も短くなるわけです。もし無理に長方形へ押し込むと、細い上のほうほど横に引き伸ばされ、場所によって縮尺が変わってしまいます。扇形のまま開けば、どこで測っても長さ・面積が実寸どおりです。

CRITIR は3Dモデルから軸と太さ(円錐台なら高さによる太さの変わり方)を推定し、その面に写真を貼ってから切り開きます。とっくり型のように、太さが一定でも直線的でもなく変わる形は、紙のように素直には開けないため対象外です。

v2.6.0 で円錐台の展開に対応しました。また、バルコニーなどの張り出しがある円形建物でも、張り出しを除いて壁面の形を推定できるようになり、展開の品質と速度も改善しています。

起動

ツールバーの 処理 ▾ → 画像リンク・オルソ・3D生成 でウィザードを開き、左のレールで その他のオルソ の下の 展開オルソ を選びます。メイン画面で現在開いているセットが対象です。

展開オルソは PRO プランの機能です。詳しくは プランと機能 を参照してください。

前提条件

展開オルソには、通常のオルソ生成より多くの前提があります。

条件説明
画像リンク(SfM)が完了している先に同じウィザードで画像リンクを実行してください
3Dモデルが生成済み形の推定と遮蔽の判定に3Dモデルを使うため必須です。3Dモデルを参照してください
3Dモデルが現在の画像リンク結果と一致している画像リンクをやり直した後は、3Dモデルも生成し直してください
対象の全周が撮影されている一部しか撮影していないと形を推定できません

条件を満たしていない場合は、形状の確認の欄にその理由が表示されます。3Dモデルが無い場合は、その欄の 3Dモデルの設定を開く ボタンから直接進めます。

太さが高さに対して一定でも直線的に変わるのでもない形(とっくり型など)は、円筒・円錐台のどちらにも当てはまらないため展開できません。

ウィザードの画面

展開オルソのウィザードは1ページで、上に「形状の確認」、下に「出力設定」が並びます。開くと自動的に形の解析が始まり、解析が終わるまで 生成開始 は押せません。

形状の確認

3Dモデルから円筒・円錐台を推定し、展開できるかを判定します。上面図で、対象の輪郭(水色)に推定した円(赤)が乗っていることを目で確認してください。円錐台の場合は頂部の円(橙)も表示されます。

判定結果として次の情報が表示されます。

項目説明
形状円筒 / 円錐台(上すぼまり) / 円錐台(下すぼまり)
直径推定した直径(円錐台では下→上の2つの値)
高さ範囲展開する高さの範囲
周長全周の長さ(円錐台では下→上の2つの値)
全周被覆全周のうち画像が撮れている割合
使用画像数展開に使われる画像の枚数
スケール実寸の出どころ(下記)

スケールの表示は3種類あります。

表示意味
既存オルソから継承生成済みオルソのスケールをそのまま使用
GPS(Helmert)から推定撮影位置のGPSから推定
未解決(シーン単位のまま)実寸が未確定。直径・周長などはシーン単位で表示され、出力の mm/ピクセルは実寸として保証されません

「未解決」と出たら、先に1本測っておく

スケールが 未解決(シーン単位のまま) のときは、スケール設定で既知距離を1本登録してから生成しましょう。実寸に基づいた展開画像になり、mm/ピクセルも実寸として扱えます。

出力設定

生成する成果物を 可視光オルソ(初期値)または 可視光 + 赤外線オルソ から選びます。赤外線を選ぶと温度の展開オルソも同時に作ります(処理時間が増えます)。可視画像とサーマル画像のペアが無いセットでは、赤外線は選べません。

出力解像度は自動で決まります。形状の解析が終わると「自動解像度: 約 X mm/ピクセル」と推定出力サイズが表示されます。出力幅は 16,000px が上限で、これを超える場合は解像度が自動的に調整されます(「上限により解像度を自動調整」と表示されます)。

生成の開始

生成開始 をクリックすると展開処理が始まります。

出力について

  • 出力は対象の全周を1枚に展開した画像です(横=円周方向の弧長、縦=高さ。円筒は長方形、円錐台は扇形)
  • 生成後はオルソの一覧(成果物)に、種別 円筒展開 または 円錐台展開 として追加されます
  • オルソビューワーで表示・測定できます
  • GeoTIFF は出力されません(展開面は地理座標系に対応しないため)
  • スケールが未解決のセットでは、実寸の mm/ピクセルは保証されません

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