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ガイド

オルソ生成

ドローンや地上で撮ったたくさんの写真をつなぎ、建物の壁面・擁壁・太陽光パネルなどを正面から見た1枚のオルソ画像にする方法を解説。写真とオルソ(正射投影)の違いも図解します。

CHAPTER 05

何十枚の写真が、
1枚の正面図になる。

この章でできるようになること

  • 斜めの写真から、正面の1枚をつくる
  • 平面オルソと3Dモデルオルソを使い分ける
  • 欲しい面を候補から選ぶ・手で指定する
  • 既知の長さで実寸を与える
10 分で読めます

オルソ画像は、たくさんの写真をつなぎ合わせて、壁面全体を真正面から見た1枚の画像にしたものです。 建物のどこに異常があるかをひと目で把握でき、図面と重ねたり、報告書の全体図にしたりできます。CRITIR では、可視オルソと赤外線オルソを同時に作れます。

同じ壁面の可視オルソと赤外線オルソ
可視オルソ赤外線オルソ
⇆
84枚の写真から作った壁面のオルソ。境界をドラッグすると赤外線オルソと見比べられます

オルソ画像とは

斜めから撮った写真でも、画像リンク(SfM)で撮影位置と向きを復元し、壁面に投影し直すことで、正面から見た形に揃えます。写真1枚では収まらない大きな壁面も、正確な位置関係のまま1枚にまとまります。

城の立面
城の立面3Dモデルオルソ(松本城)
擁壁
擁壁3Dモデルオルソ
COLUMN

写真とオルソは、何が違うのか

写真 = 中心投影オルソ = 正射投影壁(等間隔)カメラ光が1点に集まる手前は大きく、奥は小さく写る壁(等間隔)壁に垂直な平行線で写すどこも同じ縮尺 → 図面と重なる

写真は、壁のあちこちから来た光がレンズの1点に集まってできる画像です(中心投影)。そのため、カメラに近い部分は大きく、遠い部分は小さく写り、斜めから撮った壁は台形にゆがみます。1枚の写真の中でも、場所によって縮尺が違うわけです。

オルソは、壁に垂直な平行の光で写したかのように描き直した画像です(正射投影)。どこを取っても縮尺が同じなので、長さや面積を画像の上でそのまま比べられ、図面とも素直に重なります。

CRITIR は画像リンク(SfM)で、写真1枚ずつの撮影位置と向きを割り出します。それがわかれば、どの画素が壁のどこから来た光なのかを逆にたどれます。だから、たくさんの写真を壁の上に「貼り直して」、1枚のオルソにまとめられるのです。

ウィザードの起動

以下のいずれかから生成ウィザードを起動できます。

  • ツールバーの 処理 ▾ → 画像リンク・オルソ・3D生成
  • 右パネル下部のミニマップにある オルソ生成 ボタン(オルソ未生成時に表示)
生成ウィザードの出力設定
生成ウィザード。左のレールで作る成果物を選び、右で出力を設定します

1 の左側のレールで、作る成果物を オルソ画像 / 3Dモデル / その他のオルソ → 展開オルソ から選びます。このページでは オルソ画像 を選んだ場合の手順を説明します(3Dモデルは 3Dモデル、展開オルソは 展開オルソ を参照)。

対象のセットは、メイン画面で開いているセットです(ウィザードの上部に 対象セット: … と表示されます)。別のセットのオルソを作るときは、先にメイン画面でセットを切り替えてください。

ウィザードの手順

ステップ 1: 出力設定

2 生成する成果物 3 生成方式 4 詳細設定

生成する成果物

出力設定の先頭で、生成する成果物 を2択のカードから選びます。

選択肢説明
可視光オルソ(初期値)可視画像からオルソ画像だけを生成します
可視光 + 赤外線オルソ温度オルソも同時に生成します。可視・赤外線のペア画像が必要で、処理時間とディスク使用量が増えます

詳細設定の 赤外線オルソ の項目は、可視光 + 赤外線オルソ を選んだときだけ変更できます。ペア画像が見つからないセットでは 可視光 + 赤外線オルソ を選べません。

解像度

オルソ画像の解像度は、画像リンク後の撮影分解能(GSD)と対象範囲から自動で決まります。プリセットや px 数を選ぶ必要はありません。

生成方式

出力設定の 生成方式 で、オルソの作り方を2択のカードから選びます。

選択肢説明
3Dモデルオルソ(初期値・おすすめ)凹凸のある壁面や複雑な形状の建物、太陽光パネルシーンなどで有効です。3Dモデルの上で、オルソにしたい面・範囲・奥行きを箱で直接指定します。建物の各立面や斜面など、1つの3Dモデルから複数の面のオルソを作れます。十分にオーバーラップした画像が必要です
平面オルソ対象を1枚の平面とみなして投影します。平らな壁面・屋根・地面などに向いています。3Dモデルオルソを選べないセットでは、こちらが選ばれます

3Dモデルオルソ を選んだとき、3Dモデルがまだ無ければウィザードの中で同時に生成します(数分〜十数分)。3Dモデルに穴がある部分は、オルソでも透明になります。

このとき出力対象で 可視光 + 赤外線オルソ を選んでいると、オルソの完了後に続けて温度付きの3Dモデル(赤外線3D)も自動で作成します。既存の3Dモデルを使う場合は作成しません。

すでに3Dモデルがある場合は、3Dビューワーのツールバーにある オルソ作成 ボタンから、ウィザードを通さずに直接、その3Dモデルの上で面と範囲を指定できます(出力設定は既定値、スケールは保存済みの設定を使います)。

3Dモデルの上でオルソ範囲を箱で指定する画面
3Dモデルの上で、オルソにする面(オレンジ)・広がり・奥行きを箱で指定します。右下に仕上がりのプレビュー

作成したオルソは、オルソビューワーの右パネルの 成果物 一覧でまとめて管理でき、クリックで表示を切り替えられます。以前のバージョンで作成した立体補正オルソも、引き続きこの一覧から表示・測定できます(新しく生成することはできません)。

詳細設定

基本的にはデフォルト値が推奨ですが、問題のある場合には詳細な設定を変更できます。

画像リンク設定

ウィザード左側のレールにある 再利用 欄には、画像リンクなど既存の成果物をどう扱うかが表示されます。変更… を押すと 再利用する成果物 画面が開き、画像リンク設定 で画像リンク(SfM)の 画像リンクの実行方法 を選べます。

実行方法説明
既存結果を再利用(推奨)既存の3D・測定と同じ座標系を維持します。同じセットで以前の画像リンク結果が残っている場合に選べます
既存結果に写真の追加・除外を反映(推奨)前回の画像リンクのあとに写真を追加・除外した場合に表示されます。既存の結果を作り直さずに更新し、座標系はそのままです(追加・除外した枚数が表示されます)
画像リンクを新しく計算画像リンクを最初からやり直します。新しい座標系になる場合があります
前回の画像リンク結果(未使用)を使う前回、同じ写真・同じ設定で計算したものの、キャンセルなどで使われずに残った画像リンク結果がある場合に、画像リンクを新しく計算 の代わりに表示されます。再計算しません

既存結果に写真の追加・除外を反映 を選んでいるときは、ウィザードに「前回の画像リンクから写真が変わっています(追加 N枚・除外 N枚)」の帯と 画像リンクだけ反映して閉じる ボタンが表示されます。押すと、オルソ・3Dモデルは作り直さずに、追加した写真の位置と向きだけを今の画像リンクに加えて(除外した写真は外して)ウィザードを閉じます。座標系は変わらないため、既存のオルソ・3Dモデル・測定・スケールはそのまま使えます。進み具合はツールバーに表示されます。

画像リンクの準備を始めた後は、画像リンクだけ反映して閉じる は使えません。ウィザードをキャンセルしてから開き直してください。

登録された画像の割合(登録率)が低い画像リンク結果を再利用して生成しようとすると、画像リンク結果の確認 ダイアログが表示されます。登録されなかった画像が写す範囲は成果物に入らないため、画像リンクをやり直す / 設定を変える / このまま生成 / キャンセル から選んでください。

画像リンクの途中で、ほかの写真と位置が大きく外れた画像は自動で登録をやり直し、それでも合わない画像は除外されます。

画像リンクの詳細設定 を開くと、次の項目を変更できます(既存結果を再利用するときは変更できません)。

次のページへ

出力設定の下のボタンは、画像リンク(SfM)を新しく計算する場合は 画像リンクを開始、既存の画像リンク結果を再利用する場合は 次へ (対象面の選択) →(3Dモデルオルソでは 次へ (オルソ範囲) →)になります(長い処理が始まるときは処理名、すぐ次のページが開くときは行き先が表示されます)。画像リンクを新しく計算する場合はウィザードが数秒後に自動で最小化され、完了するとメイン画面に通知が出ます。既存結果を再利用する場合は、前回の候補面がそのまま復元されるので、すぐに対象面の選択へ進めます。

ステップ 2: 対象面の選択

生成方式で 3Dモデルオルソ を選んだ場合、このステップの代わりに次のページが表示されます。

  1. 3Dの生成範囲(3Dモデルがまだ無いときだけ): 疎点群を見ながら3D化する範囲を箱で絞り、3Dモデルを生成 を押します。生成範囲の操作は3Dモデルの生成と同じです
  2. オルソ範囲: 3Dモデルの上で、オルソにする面・広がり・奥行きを箱で指定します

そのあと ステップ 3: スケール設定 へ進みます。

対象面の選択

画像リンク(SfM)の結果から自動的に検出された候補平面がグリッド表示されます。 対象となる壁面に対応する候補を選択してください。

  • 最も適した候補には 「おすすめ」 バッジが表示されます
  • 候補が足りない場合は 「もっと探す」 で追加検索できます
  • 新たに見つかった候補には 「NEW」 バッジが表示されます

面を手動指定する

自動検出は点群の密度をもとに面を探すため、欲しい面が候補に出てこないことがあります(候補一覧が空、細い構造物、壁面の一部だけを対象にしたい場合など)。このときは 「面を手動指定...」 から、写真上で対象面をクリックして候補を作成できます。画面上部に ① 面をクリック → ② プレビュー生成 → ③ 保存 の手順が表示されます。

  1. サムネイルから、対象面がよく写っている画像を選ぶ
  2. ① 面をクリック: オルソにしたい面をクリックすると、同じ面と判定した範囲が色付けされます(初回はモデルの読み込みに数十秒かかることがあります)
  3. ② プレビュー生成: この範囲でプレビューを生成(2回目以降は プレビューを更新)を押すと、統合オルソプレビューが生成されます
  4. 面が1枚の画像に収まっていなければ、別の画像でも同じ面をクリックすると範囲を足せます。足したら再度プレビューを更新してください
  5. ③ 保存: 納得できるプレビューになったら このプレビューを保存

クリックした位置で面を判定できなかったときは「この位置では面を判定できませんでした」と表示されます。面の中央付近など、別の位置をクリックし直してください。

操作説明
プレビューの操作ホイールで拡大・縮小、ドラッグで移動、ダブルクリックで全体表示
この画像の範囲を削除現在表示している画像の指定を取り消す
すべてクリア指定した範囲をすべて破棄する

まずは「いちばん大きく写った1枚」の真ん中から

面がいちばん大きく写っている写真を選び、面の中央あたりをクリックするのが近道です。1枚に収まらなかった端は、別の写真で同じ面をクリックして足していけば、少ない手数で面全体がそろいます。

色付けした範囲は、オルソに含める範囲としても使われます。
保存すると候補一覧に追加され、その候補が選択された状態になります。

面を囲んで指定する場合

カメラ正対の鉛直面として指定(鉄塔・煙突など細い構造物向け) をオンにしたとき(またはクリックでの面判定が使えない場合)は、手順の最初が ① 面を囲む になり、矩形で対象面を指定します。

  1. 始点をクリック → マウスを移動 → 終点をクリック で対象面を囲む
  2. この範囲でプレビューを生成 を押して結果を確認する(別の画像でも同じ面を囲むと、結果を統合できます)
  3. 納得できるプレビューになったら このプレビューを保存

囲んだ範囲もオルソに含める範囲として使われるため、壁面だけを切り出したい場合にも有効です。

向きの調整(任意)

候補を選択すると、オルソ画像の向きが自動推定されます。 地面・屋根・太陽光パネルのような水平に近い面(俯瞰のオルソ)は、写真の GPS から北の向きが分かる場合、北が上になる向きで作られます(一本の飛行線や定点からの撮影など、北が決まらない場合は撮影の向きをもとに推定します)。北が分かるオルソでは、オルソビューワーに方位記号が表示されます。 必要に応じて回転ボタン(±180° / ±90° / ±10° / ±1°)で微調整できます。 「自動向きに戻す」 で初期状態にリセットできます。

ステップ 3: スケール設定(任意)

既知の距離を持つ2点を指定して、オルソ画像のスケール(実寸)を補正できます。このステップはスキップ可能です。

  1. 画像上で既知距離のある2点をクリック(例: ドアの高さ、窓の幅)
  2. 実際の距離と単位(m / cm / mm)を入力
  3. 「計測を追加」をクリック

精度を高めるため 2〜4計測 の登録が推奨されます。複数計測の中央値が採用されるため、外れ値に強い補正が可能です。

ここで設定するスケールはセット単位の設定で、オルソ画像だけでなく3Dモデル・展開オルソ(円筒・円錐台)・元画像上の測定にも共通で効きます。ここでスキップした場合も、あとから 処理 ▾ → スケール設定 でいつでも設定・修正できます。詳しくは スケール設定 を参照してください。

生成の開始

すべての設定が完了したら、「生成開始」をクリックするとオルソ画像の生成が自動的に実行されます。

生成処理には画像枚数やPCスペックに応じて時間がかかります。
処理中も他の操作は可能ですが、プロジェクトの切り替えやセットの切り替えはできません。

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