点検用ドローンの赤外線カメラはどう選ぶ?解像度・画角・温度測定・データ形式で比べる
ドローン用赤外線カメラの選び方を図解します。640×512 と 1280×1024 の違いを「1画素が壁の上で何cmになるか」で比べる計算方法、温度を測れる(ラジオメトリック)カメラかどうか、R-JPEG などデータ形式の注意点、可視カメラとの組み合わせ、高解像度モードの扱いを整理し、Matrice 30T / Mavic 3T / Matrice 4T / Zenmuse H20T・H30T / Skydio X10 の公式仕様を並べて比較します。
この記事の要点
- カタログの画素数より「1画素が対象の上で何cmか」で比べる。画素数・画角・撮影距離の3つで決まり、簡単な式で計算できる
- 画角が狭いほど細かく写るが、1枚に写る範囲は狭くなる。細かさと撮影枚数(時間)の釣り合いで選ぶ
- 温度を後から測れるのはラジオメトリックなカメラだけ。写真形式と、温度データの取り出し方(対応ソフト)まで確認する
- 超解像・高解像度系のモードは「別物」として扱う。画像の画素数とセンサーの画素数が違ったり、ソフトによって測温条件を直せなかったりする

左は Zenmuse H30T(1280×1024)で撮ったタイル外壁の赤外線画像の一部です。中央と右は、同じ画像を縮小して 640×512・320×256 の粗さを再現したものです。左ではタイル1枚ずつの目地まで見えるのに、右ではタイルの形が溶けて、温かい帯だけが残ります。
「赤外線ドローン、どれを買えばいい?」と聞かれて、カタログの「640×512」「1280×1024」を並べても、現場で何が変わるのかは見えてきません。この記事では、数字を現場の言葉(壁の上で何cmか)に直して比べる方法から始めて、温度データ・データ形式・可視カメラとの組み合わせまで、選ぶときに見るべき点を順に整理します。
選ぶときに見る5つのポイント
先に全体像です。点検用の赤外線カメラは、次の5つを見ればほぼ比べられます。
| ポイント | 何を見るか | なぜ大事か |
|---|---|---|
| 1. 赤外線の画素数 | 640×512、1280×1024 など | 同じ距離・同じ画角なら、画素が多いほど細かく写る |
| 2. 画角(と撮影距離) | 対角画角、換算焦点距離 | 画素数とセットで「1画素の大きさ」と「1枚の範囲」が決まる |
| 3. 温度を測れるか | 温度測定方法、測定範囲、精度 | 後から温度を読む・比べるにはラジオメトリック対応が必要 |
| 4. データ形式と取り出し方 | R-JPEG などの写真形式、対応ソフト | 温度データを解析ソフトで読めなければ使えない |
| 5. 可視カメラとの組み合わせ | 可視の画素数、画角、位置合わせ | 赤外線で見つけた異常が「何なのか」を可視で確かめる |
このうち1と2は、ばらばらに見ても意味がありません。まとめて「1画素の大きさ」に直すのが、比較の近道です。
「何画素か」ではなく「1画素が何cmか」で考える
赤外線カメラの1画素は、対象の上のある広さの温度を1つの値にまとめて記録します。この広さが、写せる異常の細かさの目安になります。
ただし「1画素ぶんの大きさの異常なら見つけられる・測れる」というわけではありません。対象の温度を正しく測るには、対象が複数の画素にまたがっている必要があります。FLIR の技術解説では、正確に測るには対象の上に少なくとも3×3画素、理想は10×10画素以上が目安とされています。必要な大きさは、対象や撮影条件によっても変わります。
1画素が受け持つ広さは、カメラから離れるほど大きくなります。画素の数は同じでも、距離が2倍になれば1画素の大きさも2倍です。
計算してみる: 10 m 先の壁で1画素は何cm?
正対して撮るとき、画面中心付近の1画素の大きさは次の式でおおよそ求められます。
1画素の大きさ ≈ 撮影距離 × 2 × tan(対角画角 ÷ 2) ÷ 対角の画素数
「画面の対角に写る長さ」を「対角に並ぶ画素の数」で割っている、というだけの式です。対角画角は多くのメーカーが仕様表に載せています。
対角画角61°・640×512 の Mavic 3T で、10 m 先の壁を撮る場合を計算してみます。
- 画面の対角に写る長さ: 10 m × 2 × tan(30.5°) ≈ 11.8 m
- 対角の画素数: √(640² + 512²) ≈ 820 画素
- 1画素の大きさ: 11.8 m ÷ 820 ≈ 1.4 cm
同じ計算を主要機種に当てはめると、次のようになります。
距離が変われば値は比例して変わります。20 m なら2倍、30 m なら3倍です。
斜めから撮ると、1画素はもっと大きくなる
この式は「壁に正対して、画面の中心付近」の目安です。見上げるように斜めから撮ると、対象の面の上では1画素が引き伸ばされて大きくなります。レンズの歪みがあるので画面の端でも少し変わります。必要な細かさぎりぎりで計画せず、余裕を見ておくのが安全です。
画角が狭いと細かいが、1枚の範囲は狭い
上の図で Matrice 4T や Zenmuse H20T が Mavic 3T より細かいのは、画素数が同じ 640×512 でも画角が狭い(望遠寄り)からです。そのぶん、1枚に写る範囲は狭くなります。
10 m 先で1枚に写る横幅をざっと計算すると、対角61°の Mavic 3T は約9 m、対角40.6°の Zenmuse H20T は約6 m です。同じ壁を撮り切るのに必要な枚数は、それだけ増えます。
つまり、画角は「細かさ」と「撮影の手間」の綱引きです。近づけない構造物を遠くから撮るなら狭い画角と多い画素数が効き、近づいて撮れる低層の外壁なら広めの画角で手早く撮る、という考え方ができます。
1280×1024 は「半分の距離で撮る」のと同じ
画角が同じなら、縦横の画素数が2倍のカメラは、半分の距離から撮ったのと同じ細かさになります。冒頭の画像で、中央(640×512 相当)が左(1280×1024)の2倍の距離から撮った見え方、右(320×256 相当)が4倍の距離から撮った見え方だと考えると分かりやすいでしょう。
ただし、これは同じ画角の場合の話です。例えば Zenmuse H30T(1280×1024、対角45.2°)と Matrice 4T(640×512、対角45°)は画角がほぼ同じなので、この関係がそのまま当てはまります。画角が違うカメラ同士は、必ず「1画素の大きさ」に直してから比べてください。
主要機種の仕様を並べる
ドローン点検でよく使われる赤外線カメラの仕様を、メーカーの公式仕様ページから抜き出しました(2026年10月時点で確認。仕様は改訂されることがあるので、購入前には最新の公式ページを確認してください)。
| 機種 | 赤外線の画素数(写真) | 高解像度系のモード | 対角画角(換算焦点距離) | 測定範囲(高ゲイン) | 写真形式 | 可視カメラの写真(代表) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| DJI Matrice 30T | 640×512 | 超解像オンで 1280×1024 | 61°(40 mm) | -20〜150℃ | — | 12M(有効画素数) |
| DJI Mavic 3T | 640×512 | — | 61°(40 mm) | -20〜150℃ | JPEG、R-JPEG | 8000×6000 |
| DJI Matrice 4T | 640×512 | 超解像オンで 1280×1024 | 45°±0.3°(53 mm) | -20〜150℃ | JPEG、R-JPEG | 8064×6048 |
| DJI Zenmuse H20T | 640×512 | — | 40.6°(58 mm) | -40〜150℃ | R-JPEG | 4056×3040 |
| DJI Zenmuse H30T | 1280×1024 | UHR 赤外線画像に対応 | 45.2°(52 mm) | -20〜150℃ | R-JPEG | 8064×6048、4032×3024 |
| Skydio X10(VT300-Z) | 640×512 | — | 41°(60 mm) | -40〜150℃ | JPEG、RJPEG | 9248×6944(Narrow) |
「—」は、各社の公式資料で記載を確認できなかった項目です(その機能や値が無いという意味ではありません)。Matrice 30T の赤外線の画素数・超解像・測定範囲は、公式仕様ページには載っていないため、DJI の取扱説明書(MATRICE 30 SERIES User Manual v1.0)から引いています。可視カメラの列は機種によって広角・中焦点などカメラの種類が違うため、代表的なものを載せています(Skydio X10 の VT300-Z は Narrow カメラ)。画素ピッチ(センサーの1画素の大きさ)は、記載のある6機種すべてが 12 μm です。写真形式は、Mavic 3T と Matrice 4T が「JPEG(8bit)、R-JPEG(16bit)」、Zenmuse H20T が「R-JPEG(16ビット)」、Zenmuse H30T が「R-JPEG」と記載されています。
表に載せきれなかった点を補足します。
- 測定範囲(低ゲイン): Matrice 30T は 0〜500℃(取扱説明書 v1.0)、Mavic 3T は 0〜500℃、Matrice 4T は 0〜550℃、Zenmuse H20T は -40〜550℃、Zenmuse H30T は 0〜600℃(赤外線 ND フィルター使用時は高ゲイン -20〜450℃、低ゲイン 0〜1600℃)、Skydio X10 は -40〜350℃ と記載されています
- 温度測定の精度: Matrice 30T・Mavic 3T・Matrice 4T(高ゲイン)は「±2℃または±2%の大きいほう」、Matrice 4T(低ゲイン)は「±5℃または±3%の大きいほう」、Skydio X10 は「±5℃または5%の大きいほう」と記載されています。Matrice 30 シリーズの仕様の注記では、この精度はラボ環境でテストした参考値とされています
- 温度測定の方法: DJI 各機はスポット測定・エリア測定(H30T は中心点温度測定も)、Skydio X10 はスポットメーター・エリア測定に対応と記載されています
精度の「±2℃または±2%の大きいほう」は、絶対温度の目安です。外壁の浮きや太陽電池モジュールの異常のように、同じ画像の中で「周りより何℃高いか」を見る点検では、絶対精度と同じくらい、撮影条件(日射・時刻・角度・放射率・反射)の揃え方が結果を左右します。
温度を「測れる」画像か、「見える」だけの画像か
赤外線カメラで撮った画像が、すべて温度を持っているわけではありません。ラジオメトリック(放射測定)な画像は、見た目の絵とは別に、画素ごとの温度(の元になる値)と撮影時の測温条件を持っています。見た目の絵だけの画像は、色から温度に戻すことはできません。
ラジオメトリックな画像なら、撮影後に解析ソフトでカーソルを当てた点の温度を読んだり、線や範囲の最高・最低温度を出したりできます。点検の報告書に温度を書くなら、ここは必須の条件です。

データ形式は「温度の取り出し方」まで確認する
仕様表の写真形式に R-JPEG(ラジオメトリック JPEG)とあれば温度付きの画像を残せますが、同じ「R-JPEG」でも中身の構造はメーカーによって違います。DJI の R-JPEG は、温度を取り出すのに DJI の Thermal SDK(またはそれに対応したソフト)が必要です。一方、Skydio X10 の赤外線は Teledyne FLIR の Boson+ を積んでおり、FLIR 形式と互換性のある R-JPEG です。
もう一つ気をつけたいのが、見た目の JPEG と温度データの画素数が同じとは限らないことです。例えば CRITIR が扱う DJI Matrice 30T の画像には、見た目の JPEG が 1280×1024 で、温度データは 640×512 という組み合わせがあります。JPEG の画素数だけを見て「この機種は 1280×1024」と判断すると、温度の細かさを見誤ります。
R-JPEG の中身や、メーカーごとの違いは R-JPEG とは で詳しく解説しています。
超解像・高解像度系のモードは「別物」として扱う
最近の機種には、赤外線画像の画素数を増やすモードがあります。Matrice 4T の公式仕様では、赤外線センサーの解像度は 640×512 で、超解像をオンにすると画像が 1280×1024 になります(動画はナイトモードでは超解像が無効と注記されています)。Zenmuse H30T は、もともと 1280×1024 のセンサーに加えて UHR 赤外線画像に対応しています。
これらのモードは見た目がきれいになる一方、温度データとしての扱いが普通のモードと同じとは限りません。例えば CRITIR では、DJI サーマルカメラの High Res モードで撮影した画像は、DJI SDK が公式に対応していない形式のため、放射率・距離などの測温パラメーターを変更できず(撮影時の設定で固定)、温度は簡易デコーダによる参考値として表示されます。相対的な温度差の比較には使えます。
本番の前に、1枚だけ試し撮り
新しい機種や新しいモードを使うときは、本番の前に数枚撮って、使う予定の解析ソフトに読み込ませてみてください。「温度が読めるか」「放射率を直せるか」「可視画像と重なるか」を事前に確かめておけば、現場に戻って撮り直す事態を防げます。
可視カメラとの組み合わせも大事
赤外線画像だけでは、温度ムラが「タイルの浮き」なのか「汚れ」「窓の映り込み」「設備の熱」なのかを決められません。同時に撮った可視画像と見比べて、原因を消していくのが基本です。そのため、今回比べた機種はどれも、赤外線と可視カメラを一体にしたカメラを積んでいます(可視側が広角・中焦点・望遠のどれを持つかは機種によって違います)。


ここで知っておきたいのが、可視カメラと赤外線カメラは別のレンズだということです。画角も画素数も違い、レンズの位置も少しずれているので、2枚の画像はそのままでは重なりません。可視の画素数が多いほど細部の確認はしやすくなりますが、赤外線と重ねて使うには、2枚を位置合わせ(アライメント)する仕組みが必要です。
構造物を遠くから撮るなら、可視のズームカメラも役に立ちます。ただし赤外線側のデジタルズームは、画像を拡大しているだけで、センサーの画素数は増えません。
用途別の考え方
外壁(タイル・モルタル)
外壁の赤外線調査では、浮きの範囲を画像上で読み取れる細かさが必要です。冒頭の画像のように、1画素が細かければタイル1枚単位で温度の境目を追えますが、粗くなると範囲がぼやけます。
- 低層なら近づいて撮れるので、640×512 でも十分な細かさを確保しやすい
- 高層や敷地が狭く離れて撮るしかない場合は、画素数の多いカメラや画角の狭いカメラが効く
- 見上げる角度が大きいと1画素が引き伸ばされる。面に対してなるべく正対できる位置から撮る
撮影の時間帯や面の向きは、カメラ選び以上に結果を左右します。外壁赤外線調査はいつ撮る? と 12条点検の外壁調査に赤外線・ドローンは使える? もあわせて読んでください。
太陽光パネル
太陽光パネルのドローン点検では、IEC TS 62446-3 の考え方として、モジュール面の上で1画素が最大 3 cm に収まる細かさが目安とされています(規格本文は有償のため、ここではメーカーの技術解説とレビュー論文の記述に基づいています)。地面で測った解像度ではなく、傾いたパネル面の上で考えるのがポイントです。
上の式で逆算すると、対角画角61°・640×512 のカメラでは、パネル面に正対して約20 m が 3 cm に届く距離の目安です。実際にはパネルを斜めから撮ることが多いので、計画はこれより近めに置きます。発電中に撮る必要があり、温度差を比べるのでラジオメトリック対応は必須です。詳しくは 太陽光パネルの赤外線点検 で解説しています。
構造物(煙突・タンク・橋など)
近づけない、障害物が多い、全周を撮る必要がある、といった条件が重なりがちです。
- 離れて撮るほど1画素が大きくなるので、画素数・画角の効きが大きい
- 高温の設備を撮るなら、低ゲインの測定範囲の上限も確認する(機種によって 350℃〜600℃ と幅がある)
- 全周を撮って1枚の展開図にまとめる方法もある(煙突・タンクの展開画像)
撮ったあとの解析: CRITIR で読み込めるカメラ
カメラを選ぶときは、「撮った画像をどのソフトで解析するか」まで決めておくと失敗しません。赤外線画像解析ソフト CRITIR は、メーカーの違う赤外線画像を変換なしでそのまま読み込み、温度の読み取り・測定・判定・報告書作成まで行えます。
ドローン用のカメラでは、次の機種で動作を確認しています(可視画像とのアライメントにも対応)。
| メーカー | 機種 |
|---|---|
| DJI | Matrice 4T / 4TD、Zenmuse H30T、Mavic 3T、Matrice 30T、Zenmuse H20T / H20N、Mavic 2 Enterprise Advanced、Zenmuse XT2(13mm / 19mm) |
| Skydio | X10(VT300-Z) |
| Autel | EVO II Dual 640T(V3) |
このうち Zenmuse H30T・Mavic 3T・Matrice 30T・Zenmuse H20T は、撮影ごとに可視と赤外線のずれを詰める精密調整にも対応しています。赤外線カメラのズーム機能を使って撮った画像は、アライメントできない点に注意してください。

ハンディ型の FLIR・HIKMICRO・Fluke・NEC Avio・testo の機種も含めた最新の一覧は 対応カメラ に、温度表示や測温パラメーターの扱いは 赤外線画像解析 にまとめています。製品の詳細は CRITIR 製品ページ をご覧ください。
よくある質問
- ドローンの赤外線カメラは 640×512 と 1280×1024 のどちらを選べばよいですか?
- 画素数だけでなく、撮影距離と画角を合わせて「対象の上で1画素が何cmになるか」で比べるのが確実です。画角が同じなら、1280×1024 は 640×512 の半分の距離で撮ったのと同じ細かさになります。近づけない構造物や高い位置から撮る場面では画素数の多さが効きますが、近づいて撮れるなら 640×512 でも足りる場合があります。必要な細かさを先に決め、その細かさで撮れる距離と、撮影枚数・時間の釣り合いで選びます。
- 「1画素が何cmか」はどう計算しますか?
- 正対して撮る場合、画面中心付近の目安は「撮影距離 × 2 × tan(対角画角 ÷ 2) ÷ 対角の画素数」で求められます。例えば対角画角61°・640×512 のカメラで10 m 先の壁を撮ると約1.4 cm、20 m なら約2.9 cm です。斜めから撮ると対象の上の1画素はこれより大きくなり、レンズの歪みで画面の端でも変わるので、余裕を持って計画します。
- 赤外線カメラなら、どれでも後から温度を測れますか?
- いいえ。画素ごとの温度データを画像に持つ「ラジオメトリック」なカメラで撮った画像でなければ、後から任意の点の温度は読めません。色の付いた見た目の画像だけでは、色から温度に戻すことはできません。仕様表で温度測定方法や R-JPEG などの温度付きの写真形式に対応しているかを確認してください。
- 超解像や高解像度モードで撮った赤外線画像は、普通のモードと同じように扱えますか?
- 同じとは限りません。例えば Matrice 4T の公式仕様では、センサーの解像度は 640×512 で、超解像をオンにすると画像が 1280×1024 になります。また CRITIR では、DJI サーマルカメラの High Res モードで撮影した画像は放射率などの測温パラメーターを変更できず、温度は簡易デコーダによる参考値として表示されます(DJI SDK が公式に対応していない形式のため)。本番の前に、使う解析ソフトでそのモードの画像がどう扱われるかを試しておくと安心です。
- CRITIR はどのドローン用赤外線カメラに対応していますか?
- DJI の Matrice 4T / 4TD、Zenmuse H30T、Mavic 3T、Matrice 30T、Zenmuse H20T / H20N、Mavic 2 Enterprise Advanced、Zenmuse XT2、Skydio X10(VT300-Z)、Autel EVO II Dual 640T(V3)などで動作を確認しており、可視画像との位置合わせ(アライメント)にも対応しています。最新の一覧は対応カメラのページで確認できます。
まとめ
- 赤外線カメラは「1画素が対象の上で何cmか」で比べる。距離 × 2 × tan(対角画角/2) ÷ 対角画素数 で目安が出る
- 画素数が多いほど、画角が狭いほど細かく写る。ただし画角が狭いと1枚の範囲が狭く、撮影枚数が増える
- 点検で温度を扱うならラジオメトリック対応が必須。写真形式と温度の取り出し方(対応ソフト)まで確認する
- 見た目の JPEG と温度データの画素数は同じとは限らない。超解像・高解像度系のモードは、温度データとしての扱いを事前に試す
- 赤外線の異常は可視と見比べて確かめる。可視カメラの画素数・画角と、2枚を重ねる仕組みもあわせて考える
出典
- DJI「Matrice 30 シリーズ 仕様」
- DJI『MATRICE 30 SERIES User Manual』v1.0(2022年4月)── 赤外線の画素数(通常 640×512・超解像 1280×1024)、画素ピッチ、測定範囲(ダウンロードページ)
- DJI「Mavic 3 Enterprise シリーズ 仕様」
- DJI「Matrice 4 シリーズ 仕様」
- DJI「Zenmuse H20 シリーズ 仕様」
- DJI「Zenmuse H30 シリーズ 仕様」
- Skydio「Skydio X10 Technical Specs」
- IEC TS 62446-3:2017, Photovoltaic (PV) systems – Requirements for testing, documentation and maintenance – Part 3: Photovoltaic modules and plants – Outdoor infrared thermography(IEC Webstore)
- FLIR「FLIR T500-Series Macro Mode: single-lens solution for imaging small targets」── 正確な測温には対象の上に少なくとも3×3画素、理想は10×10画素以上

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